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ストレステストを分析してみる

ワチャゴナブログ読者の皆様、ご無沙汰してます。Financial ITです。

日本に帰国してから、マーケットの世界に舞い戻ってしまったせいで、昼夜関係なく仕事する日々になり、ついつい筆不精になっている今日この頃。何となく申し訳無いなーと思っているところ、先日金融系ブログ界の大御所の方々にお会いした際に、コンスタントに更新される姿勢に啓発されたので久しぶりに更新してみた次第です。元々面倒くさがりなのでどこまで続くか分からんのですが…。お題はタイトルの通り、ストレステストについて。

今日7月24日の夜中1時、ついに欧州でストレステストの結果が公表されましたが、個人的には合格不合格についてはそれほど興味はありませんでした。というのも、シナリオも然程厳しいものでは無く、突然死しそうな銀行の洗い出しという目的よりは寧ろ、現時点で資本不足気味な銀行へ一斉に資本注入する上での言い訳作りみたいになってしまった感がある為です。これでソブリン危機が去ったと安心する投資家がどれだけ居るんでしょうか。

それよりはむしろ、各行でどれぐらいストレス前後で自己資本比率(capital ratio)が変わったかのほうが気になっていたのですが、予想通り各行別の結果には個性が表れる結果となりました。

各行別のものは、各国中銀or監査当局のHPに載ってるので、CEBSのリンクから辿ってみてください。Excelで載せてたり、英語バージョンが無かったり、そもそもリンクが切れてたり、27行分80ページ以上もの結果を1ファイルにして、読めるもんなら読んでみろ的な雰囲気を漂わせるところもあり、中銀の信頼性とリンクしてるんじゃないかと思うサイトも多々あるんですが、めげずに頑張ってみてください。素人お断り的な雰囲気が漂っています。

私ももうちょっと纏まってるサイトが無いか調べてみたんですが、どこを探しても、91行全部の一覧が無かったので、地道にデータを集めてきてExcelにコピペし、纏めてみたのが以下の表です。

項目としては、左から
・国(Country)
・金融機関名(Name of Institution)
・2009年時点でのTier1自己資本(Tier1 Capital)
・2009年末時点での自己資本比率(Actual 2009)
・2011年でのベンチマークシナリオに基づく自己資本比率(Benchmark 2011)
・2011年でのAdverse(ストレス)シナリオに基づく自己資本比率(Stressed 2011)
・上記Adverseシナリオに加え、ソブリンショックも含めたシナリオに基づく自己資本比率(+Sovereign 2011)
・Diffとして2009年の自己資本比率と上記2シナリオとの差分、ソブリンショックのみの資本影響を追記
尚、2009年のcapital ratio対比1%以上下落したところをオレンジ色で塗ってあります。

banks over 10B EUR of capital

元々資本の厚いところ(2009年時点のTier1 Capital 20Bユーロ以上)は、ストレステストなど何のその。蚊に刺されたぐらいのインパクトしか正直食らってないように見えます。ただ、元々自己資本比率が余り高くないイタリア系の銀行は、ストレスシナリオ下では8%割ってますが…。RBSの落ち幅が大きいのは資本毀損分がデカイのが要因でしょうか。

次に、資本10B以上のところを見ると、結構ストレスの結果を受けて、1-2%の悪化が見られます。ドイツ・スペイン系の銀行で顕著です。スペインはadverseシナリオ下で35%の住宅価格下落を織り込んでいるので、住宅ローンポートが大きいところはインパクトも相応なんですかね。ドイツはちゃんと見てないですが、東欧系のカントリーエクスポージャの影響な気がします。

尚、ソブリンショックについては、資本10Bまでの規模であれば何となく吸収できてそうな雰囲気です。そんなに国債・CDSポートは大きく無いんでしょうかね。ここに上げた以外にも中堅含めてリストを作ったのですが、ソブリンショックの影響を一番食らっているのはギリシャで、軒並2%超の悪化、続いてスペインとドイツの中規模行で1.5%台の悪化といったところでしょうか。

sovereign shock impacts

まだCEBSのサマリーを読んでないので、ざっと目を通してみて、国別の傾向等にもコメントしてみようかと考えています。

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GSのCDO取引のスキームについて(update)

FTの記事"Goldman Versus the regulation"を読んで、なんとなく今回のAbacusのスキームが分かったのでメモ替わりに書いていきます。他参考にしたのはGSの公式プレス(日本語)、WSJ【社説】米SEC対ゴールドマンAbacusピッチブック、ZeroHedgeのGuest Post: Is Abacus 2007-AC1 Unique?SECのcomplaintsです。

#4/20 complaintsに記載されている内容を反映。

組成までの経緯

・2006年に、ポールソンがGSを訪れ、RMBSのCDSでショートポジション作りたいんだけど誰がロングする奴いないか?とCDOの提案をGSに行ったのが本取引の始まり。

・2007年1月、ポールソンがサブプライムRMBS123個をGSに提示。これらは直前に価格が急騰したCA,NV,FL,AZ州のものが中心。FICOのスコアが低く、ARMの比率が高いもの、つまり危ないものばかり。ポールソンは、住宅価格下落を見込んでショートポジション(=CDS買い)をGSに対して組みたかった。

・GSは、ポールソンがポートフォリオの設定に関与しつつショートポジションを取ると分かると誰も買わなくなるので、選定に第三者を挟めばよいと考え、コラテラルマネージャーにRMBSのリスク評価の経験があるACAを入れた。尚、SECの報告書には、IKBがコラテラルマネージャを要求するため、組み込むことにしたとも記載。

・ACAはポールソンと協議を重ね、ポートフォリオの数を90に絞り込んだ(そのうち55個が当初ポールソン指定のものと重複)が、SECはこれらの選定にポールソンが深く関与していると主張。これにより、効率的にショートポジションを取れたとしてる(SECの資料だと、メールの遣り取り、会議などで相当ポールソンが関わってることがわかる)。一方、ZeroHedgeの記事ではLiesmanの言葉を借りて、ACAは55個しか当初の銘柄を選んでない。結果としてポールソンのショートポジションとはズレが生じ、思ったほど詐欺的なんじゃないかと書いてある。(Tyler Durdenは疑ってるが)

・ACAは、Abacusのスーパーシニア(9億ドル)に対するプロテクションを売却(50bp)。本来GSに向けられるものだが、このプロテクションは、ACA->ABNアムロ->GSのような形で迂回させてる。(著者注:カウンターパーティリスクのすり替えでみられる技)。アムロにも、GSは「ポートフォリオはACAが選んだ」と言ってる。ちなみに2007年末には、ACAが財政難に陥り、ACS->ABNアムロのCDSをアンワインドすることに。結局、アムロ->GSのCDSも2008年7月にアンワインド。

・ディールは2007年の4月にクローズ。ポールソンはGSに1500万ドルの証券化+販売費用を支払う。

・2007年10月には、83%のRMBSがダウングレード、2008年1月にはポートフォリオの99%がダウングレードする事態に。結果としてAbacus全体のロスは10億ドルを超える金額に。

投資家への説明:ピッチブック

・GSが投資家に説明する際には、ポートフォリオはACAが選んだ事になっており、ポールソンの名前は一切出なかった。加えて、ACAにも、ポールソンがエクイティを2億ドルほど買うと思わせてた(ここ争点)

・ピッチブックには、裏でポールソンがショートしてるはずが、GSがショートする形になっている(ピッチブック51ページ,Protection Buyer参照)のだが、GSの内部の人間は、IKBもACAも裏付け資産のリスクぐらい分かっており、誰かがCDOショートしてるのも知ってるはずだと答えている。

各参加者の損益

IKB: 第三者であるACAがポートフォリオの選定をしてるなら…と購入。構成はA-1(AAA,L+85) 5000万ドル、A-2(AAA,L+110) 1億ドル、結局買った直後に毀損、1億5000万ドルの損失。ポールソンが絡んでるなら買ってないと言ってる。

ACA:エクイティに投資(9億5100万ドル)して8億4000万ドルのロス。売ってたCDSが爆発して一気に資金難に。

ABNアムロ:本来CDSのポジションをミラーリングしただけで無リスクのはずが、ACAの財務状況悪化で片サイドのCDSが消滅。結果的にGSとのディールもアンワインド(解消)することになり、8億4000万のロス。

GS:投資した分9000万ドルの損失

結局Abacas全体で10億の損。ポールソンだけが独り勝ち、ストラクチャーの為の手数料1500万ドルをGSに払う代わりに10億ドル儲かったことになる。

GSの主張

1.今回の取引でGSも9000万ドルの損失を被っており、意図的に顧客に損をさせるものではない
2.CDOの世界で十分な投資経験があり、裏にショートポジションを取る者が居るのは分かってたはず
3.ACAがポートフォリオを選択している。(ポールソンはIKBと同様、意見を提供しただけ)
4.GSでは、ポールソンがエクイティのロングポジションを取るなどとは言っていない

感想・疑問点色々
・今回のSECのケース、シンセティックCDOの構造を問題視してるわけじゃない。何となく他の投資銀行への波及を避けてる気が。はなっからGS狙いだったのかも。

・SECとGSの意見の食い違いを見ると、1. (IKBに)ポールソンが銘柄選定に加わりながら、ショートするにも関わらず、ポールソン関与の事実を投資家に伝えてなかった 2.(ACAに)ポールソンがロングすると誤認させた、あたりのポイントが争点。

・個人的にゃポールソンの関与度からして、銘柄選定に深く関わったのは事実だけど、それが分かったらIKBは身を引いてたのか、ポールソンがショートするって分かってたらACAはコラテラルマネージャーの引受しなかったのか、等々のところが疑問符。

ウォールストリートの大捕物のように報道されてますが、複雑な商品の割には、今回の訴訟のポイントは実は単に言った言わないのところ、実にトラディショナルないざこざだったりします。しかしSECも、8百万ページも資料提出させといて、こんな案件しか挙げられなかったんだろうか…

CDSスプレッドが逆イールドになるのは何故か

最近世の中を騒がせるギリシャの件でTwitterを観察していると、CDSのカーブが逆イールド(inverted)になっているというコメントをちらほらTL上で見かけます。その流れに便乗して私もこんなツイートをしてます。
相変わらず思いっきりインバースしとりますなぁ。本来デフォルト確率は積み上がっていくものなので順イールドじゃないと変。じゃないと期間デフォルトマイナスになるから。まあ流動性が違うのが原因ですか。良くないパターンなのは確かRT @ActiveIndex: このパターンはギリシャ死亡か

書いた自分が言うのもアレですが、これだけだと何が言いたいのかさっぱりわからんので、もうちょっと細かく説明をしようと思ったのが今日のエントリーです。

本来、CDSのスプレッドカーブは順イールド、右肩上がりになります。企業(or国家)の倒産に賭けるというバクチ商品なので、その期間が長くなればなるほどリスクも高まる。なのでスプレッドも上昇するのが本来あるべき姿。期間の短いところが高く、長いところが低い形など、あまりお目に掛かるものではありません。金利のイールドなら足下金利が十分高い時には見かける光景なんですが…

我らが日本のソブリンCDSカーブを見てみましょう。確かに順イールドになっています。
jpy-cdsv.jpg


ところが、ギリシャの今日のクローズ時点のカーブを取ってくると、綺麗に右肩下がり、逆のイールドです。結構急な下がり方で、日本と違い目盛が10ではなく20bp単位になっている点に注目。
greece-cdsv.jpg

もう少し噛み砕いて説明しましょう。 

「今から1年後のCDSスプレッド > 5年後のスプレッド」

という、ギリシャで今起きている状況は、マーケットは1年後に倒産する確率より、5年後に倒産する確率を低く見積もっていることになります。でも、0-1年後より1-5年後のほうが安全なんて誰が予想できるんでしょう。右肩下がりだと、1-2年、2-3年…という期間毎のデフォルト確率は前の期よりマイナス、減少傾向になることを意味しています。本来、倒産確率というのは、期間が長ければ長いほど高まるはず。それが成り立たないことがそもそもマーケットに異変が起きていることの証です。

じゃあ何故こんな事態が起きているのか?実際のところはギリシャのCDSの実務担当に聞かなければ分からないのですが、外部から推測の範囲で考えれば以下の可能性が挙げられるかと。



1.市場のデフォルトリスクの織り込み方が短期/長期で違う

ギリシャはここ1年乗り切ればきっと心を入れ替えて財政再建に取り組んでくれてデフォルトリスクが減っていくさ、と市場が超ポジティブな織り込み方をしてる説。んなわけあるか!と思いがちですが、The Credit Default Swap Basis (Bloomberg Professional) にはCDSスプレッドの逆イールドの解説に真面目にこう書いてあります。
the belief that there is a higher probability of default risk right now rather than 5 years from now, because if the company survives the first few years, the risk of default is much lower later on. This gives rise to lower spreads.
もし企業が最初の数年をサバイブできれば、デフォルトリスクはその後縮小するため、今のデフォルトリスクが5年後より高いと思われている。なので短期のスプレッドが上昇傾向にある状態と。

2.流動性が短期/長期で異なる

ロイターの2年前の記事で、欧州物のCDSが逆イールドになった理由を書いてますが、これと同じ考え方です。
CDSマーケットは中心年限は5年で、それ以外の1年や10年といったところは取引が非常に薄いのが特徴です。なので、最近のギリシャの起債した12ヶ月物を買った人や、長い債券を持ってるが満期迄の期間が短くなった人がヘッジのためにCDSを使おうとすると、5年だと長すぎるので短いゾーンのプライスを取りに行くことになります。

が、価格を提示するディーラーもそんな年限のポジションを取ったところでヘッジするのも大変ですし、例え1年でもこんな価格変動の激しい、危なっかしいCDSのリスクを取ってgkbrしたくないです。

このため、ヘッジコスト(ポジションを取ってからヘッジするまでの価格変動コスト)をかなり載っけてクオートすることになる。実際にはやりたくないからぼったくりプライスを出すを行ったほうが正しいかもしれませんが…。こうなると取引があまり成立せず、ディーラーの提示したインディケーションが1年物の価格として認識されてしまうことになる。

逆に10年なんかは需要が無いので放置されて、プライスが動かない。これらの要因で右肩下がりのカーブが出来上がっているという考え方です。

3.市場が実払金額ベースで取引している

鷹鳩さんのブログの倒産前のGMのスプレッドSober LookのCITの状況で書かれているケースです。
「先生大変です。ギリシャちゃんが息してません」(AA略) 的な状態だと、マーケットでは確実に倒産を織り込み始めます。例えば10億ユーロのCDSだとすると、デフォルト時に受け取る債権の回収率が20%とすれば、CDSを売った側は8億ユーロ損することになるわけです。この8億ユーロを1年で回収するには8億/10億=80%(8,000bp)のスプレッドを取れば良くって、2年で回収するにはその半分(4,000bp)とれば良いと。なので、期間が長くなればどんどん見た目のスプレッドは小さくなるように見えます。

ところが、年4回、3ヶ月に1回の支払いで、何もスプレッドを取れないうちに潰れてしまったら元も子も無いので、こういう事態の時には先にある程度の金額を受け取るのがマーケットの敢行です。

例えばSober LookのCITのケースを借りれば、一年ものCDSのスプレッドは9,400bpだったのですが、内訳は6,600bpのアップフロント(前払)と500bpのスプレッドの組み合わせ。100ドルのCDSを買いたいとすると、先に66ドルを払っておいて、3ヶ月毎に1.25ドルを支払うことになる。半年で潰れたとすれば、債権の回収率が20%だとして、$80 -$66 -$1.25*2 =11.5ドルの儲けになるわけです。

このアップフロント部分は、CDSの期間が長ければ長い程高くなるので、例え逆イールドでも長いCDSを買ったほうが得という訳にはいかない仕組みになっています。


ギリシャ現状に鑑みれば、さすがに1ほど市場は楽観視してないし、3ほど極限状況でも無いと思うので、2が原因なんじゃないかと。ただ、インバートするということは、それだけ価格変動リスクが高いので、ポジションを手前で取りたくないという市場心理を表しており、ソブリン債にとってはある種の危機状態であるのは確かです。とはいえ、高々400bp、25%のデフォルト確率なので、危なくなったらEUが助けてくれる!という最後の切札を織り込んでる状態なんでしょうけどね。奇しくもECBが300億ユーロのバックアップ用のクレジットラインを組むと発表しましたしね。

が、何年か後にまたもや財政問題が浮上して、もうダメってとこまで行ったら3の状況になることもあり得るかもしれませんけどね…

ヨーロッパの住宅価格の推移

FTの4月5日号に、ヨーロッパの住宅価格の推移の記事がありました。

2000年にFTが住宅価格のトラッキングを初めてから、初めてヨーロッパ全平均の住宅価格が下落し、16ヶ国をカバーするFTのEurozone Indexが4.6%、23ヶ国全域をカバーするFT Europe Indexが2.8%の下落幅を記録。

特に英国・スペイン・フランスでは7%を超える下落幅となっています。比較的安定しているとされるドイツでも中古住宅で4%の、全体で1.8%の下落幅。ただ、これら4国は2009年の第4四半期で回復基調にあるそうで。

ユーロ圏の新規のローン貸付は2月基準で前年比2.1%の伸びを記録していますが、経済成長率は0.1%と依然低迷が続く状態です。

以下、記事の中で取り上げられた各国の様子。

<アイルランド>
金融危機も手伝って12.4%の下落。甘い規制や・貸し手の怠慢等が重なりマーケットがクラッシュした状態。今年第一四半期では年率16%の下落幅まで悪化。

<アイスランド>
同じく金融危機の余波を受け、9.7%の減少幅に。2008年に銀行セクターが崩壊状態になってから、低迷状況が続く。2003年から2007年に掛けて15.4%の価格上昇したために、その後の下落でローン債務者のうち1/3が担保価値割れの状態。外貨建てのローンは更に深刻な状態。1/4の債務者が可処分所得の40%を支払いに充てている。
住宅ローンの条件変更、差し押さえの制限などでなんとかデフォルトせずに保っている状態だが、原状回復には時間が掛かる。

<デンマーク>
Credit Restriction(ローン引き締め)の余波を受けデフレ継続、10.2%の下落。

<スロバキア>
輸出中心の経済だったので不況の影響を直に受け、11.1%の下落

<ポーランド>
金融危機の影響を受けなかった唯一の国で、17%の住宅価格上昇

<スカンジナビア諸国(スウェーデン・フィンランド・ノルウェー、除くデンマーク)>
2009年上半期の水準より回復基調。ノルウェーは11.6%という上昇基調にある。

スウェーデンの回復基調は今年も続き、前年比9%の水準になるというスウェーデンの統計局の結果もある。周辺経済の堅調さから近隣国のノルウェー・フィンランドも同様の基調。が、中銀は住宅バブルに注視しており、ノルウェーでは既に利上げ実施、スウェーデンでも利上げが見込まれる。

<スペイン>
住宅価格の下落速度はゆっくりであるものの、今後も値下がりの余地がある。2007年のバブル崩壊以降、未販売または未完成の住宅戸数が百万戸程あると言われており、価格回復までに更に2-3年の月日を要すると言われている。

銀行は既に何十億ユーロもの宅地・商業地を差し押さえしている状況。サンタンデール銀行やバネスト銀行では、40%のディスカウントをして競売している状態。特に地中海沿岸は価格下落が激しかったが、リゾート用地としてイギリスや北ヨーロッパからの買いが入ってきている。

以下、マドリッドの不動産屋のコメント。
・都市部の完成したが空き家の住宅地については18ヶ月~3年のうちに回復。
・完成したが「馬鹿げた」場所にある住宅地については銀行で差し押さえせざるを得ない悩みの種
・確かに住宅は過剰気味だが、場所とカテゴリーに依る。マドリッド近郊では小さめの高所得者層用の住宅が売れ始めている。

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CDSは悪者なのか(2)

Twitterのつぶやき解説第二弾。

CMAのページで、Global Sovereign Credit Risk Reportという2010年第1四半期のCDSプレミアムから逆算した、5年累積倒産確率一覧が発表されましたが、ランキングは以下の通りです (括弧内は5年以内にデフォルトする確率)。 政情不安が続くベネズエラは納得できるのですが、ギリシャとイラクがほぼ同じデフォルト確率だなんてバカバカしい、CDSのプライスがオカシイとお怒りなのがギリシャの政府です。

1位ベネズエラ(48.5%)
2位アルゼンチン(46.0%)
3位パキスタン(42.3%)
4位ウクライナ(35.4%)
5位イラク(28.9%)
6位ドバイ(26.6%)
7位アイスランド(23.3%)
8位ラトビア(22.8%)
9位ギリシャ(25.4%)
10位エジプト(16.5%)

ちなみにカリフォルニア州の文句に出てきたブルガリアは16位(13.0%)、クロアチアは17位(12.7%)、タイは39位(8.5%)です。大都市を抱える巨大な州が、10%も潰れるリスクが織り込まれてるというのは変だという気持ちもわからんでも無いですが。

さて、ソブリンの話に戻りましょう。安全な順に並び替えると、

1位ノルウェー(1.6%)
2位フィンランド(2.1%)
3位ドイツ(2.8%)
4位スウェーデン(3.0%)
5位デンマーク(3.0%)
6位オランダ(3.0%)
7位オーストラリア(3.3%)
8位スイス(3.4%)
9位香港(3.4%)
10位アメリカ(3.6%)

世界一安全な筈のアメリカのCDSスプレッドも3.6%の倒産確率を織り込んでる状態です。アメリカ人誰に聞いても、アメリカという国が破産するなんて想像もしてないと思います。このギャップが、CDSのプライスがオカシイという理由付けになっているのです。

ちなみに日本は18位(6.0%)で、中国17位(5.6%)・スロバキア16位(5.5%)・スロベニア15位(5.0%)に負けている状態です。国債の発行残高が急増した結果を受けて、ランキングもどんどん悪くなっているのが現状です。ちなみにAAAの最高格付を付与されているはずの英国は21位(6.7%)。格付けから見えればかなり大きな乖離です。
プロフィール

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Author:Financial IT Engineer
米国シカゴ郊外在住の金融系元IT屋によるブログ。金融業界での勤務経験を元に、世の中に流れるニッチなニュースを、できるだけ噛み砕いて解説する事をコンセプトとしたブログ。
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