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サブプライムとはなんだったのかを振り返る資料

さて、ワチャゴナブログ久しぶりの更新です。

Moody'sの去年の各付レポートを読んだのですが、2008年のサブプライム近辺の数字を拾うには中々良い資料です。2009年の2月に書かれたものなので、2009年については実績よりも悲観的な予測がなされています。

◯デフォルトレートのピーク (P.2)
この表でポイントだと思うのは、世界恐慌の頃はピークの1年前で既に高い(8%)のデフォルト率があったのですが、そこからじわじわ14%まで上昇しています。2009年の実績値は出てないですが、2008年の後半から急激にデフォルト率が拡大傾向にあります。
デフォルト曲線

◯サブプライムの状況 (P.3)

ムーディーズ格付先のうち101社がデフォルトし、総額$281.2B($238.6Bの債券と$42.6Bのローン)。そのうち84件が北米で$226.2B。そのうちリーマンだけで$120.2B。デフォルト件数は911-ITバブル崩壊時の2000年-2001年には及ばないものの、デフォルト総額は過去30年間で最大の規模。8割がFIRE+銀行。非金融系での最大倒産はトリビューン社の$13B。

annualdefautcounts.jpg

FIREとは、Finance,Insurance and Real Estateの略語で、元々は92年のセンサスが由来だそうで。名付けた人に座布団一枚。本当にこのセクターが炎上するとは思わなかったんでしょうね。

◯倒産の動向(P.4)
投資不適格だと起債そのものが無理だったことと、倒産してもDIPファイナンスを受けられる可能性が少なくなったので、Distressed Exchanges(債務交換:デットエクイティスワップや債務リストラ等々)が増加。

◯投機格付デフォルトレートの時系列推移(P.5)
大恐慌の時の投機(投資不適格)格付の倒産率は16%台。2009年にかけて5.8%まで上昇中なんですね。ただ、思ったよりも少ないです。ちなみに大恐慌の時には20%-30%の失業率。今のアメリカの失業率は10%をちょっと下回る前後。時代背景も市場環境も違いますが、10%で落ち着いてるのは実は凄いことなのでは?と思ってしまいます。

specdef.jpg

◯格上げ-格下げ比率(Upgrade-Downgrade Ratio,P.6)
平均は0.8近辺で1.0を下回りますが、これは格付は上がりにくく下がりやすいという一般的傾向を表しているのでしょう。2004年から加熱し、2007年にピーク(2.0)2008年に急激に0.4付近まで落ちていることがわかります。別資料の情報ですが、ムーディーズの2009年第4四半期の数字は0.71、S&Pの第3四半期の数字は0.61だそうで、まだ平均の0.8以下です。
ugdgratio.jpg

◯回収率(P.7)
極端に悪くなってるのですが、金融セクター(というかリーマン)の影響。$120Bリーマンに至っては、たった回収率9%という有様。思いっきりレバレッジ利かせた状態で、投資適格から半年でダメになったので、債権者側もまったく保全できないままだったのが原因のようで。
本来secured(保全)されてるはずの債券及びローンの回収率が悪化するのは非常に良くない傾向で、融資する側もガチガチにコビナンツ(融資条項)で縛ることに。ただ、マーケットの状況改善で随分緩和してきてるようです。

◯2011年問題(P.13)
かなり気になる問題。2004年から2007年に掛けて発行された債券及びローンが、2011年に集中して満期を迎える。2009-2010年で$86B,2011年に$104B。かなり金額的に大きい。一時期見られたようなマーケットの流動性危機は無いものの、米経済が二番底に向かうような事になれば、結構痛い問題です。

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米国シカゴ郊外在住の金融系元IT屋によるブログ。金融業界での勤務経験を元に、世の中に流れるニッチなニュースを、できるだけ噛み砕いて解説する事をコンセプトとしたブログ。
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